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ケーブル物語11 電線に電流が流れるとノイズが発生する

ケーブルについては、相当な高額を機材に投入しているオーディオマニアの方でも1m150円前後のスピーカーコード(ケーブルでなく電源コードと同じ構造の平行2線式)を使われている方がいます。その方はタンノイのWestminster royalというものすごいスピーカーを使われていました。左右セットで600万円以上します。その他の機材を含めれば軽く1000万円を超えていました。一般的なオーディオケーブルに対する認識はその程度のものです。 その Westminster royal から再生されていた音は、一言で言えば、喧しい音でした。広いリビングルームなので1m150円前後の平行2線式コードが10m近く引き回されていました。これではノイズを拾いまくり、またコードの被覆がビニールですから喧しくなって当然です。 オーディオは趣味嗜好が優先するので本人が満足していれば、それを否定する必要は全くありません。余計なお世話です。しかし、音楽という時間芸術をより深く楽しみたい、演奏者の魂に少しでも触れたい、あるいは歴史的な録音を再現したい、と考えるのであれば、真剣にケーブルについて考察する必要があります。 ■電線に電流が流れるとノイズが発生する なぜ、電源コードのようなスピーカーケーブルでは駄目なのでしょうか? 電灯を灯すために使うのであれば、電源コードでも大きな問題はありません。 それでもオーディオ機器に近接して電灯を使う場合は、平行2線式のコードでは問題があります。 その理由は、電灯を灯すときに流れる電流は交流の100V/50Hzまたは60Hzで、電源コードの平行2線式ではノイズを周囲に出しまくるからです。スピーカーケーブルに流れるオーディオ信号は歪波交流という交流信号で電源コードに流れる周波数は50Hzや60Hzのような正弦波と異なり、20Hz ~20,000Hzまでの複雑な歪波交流信号です。さらにスピーカーケーブルの末端に接続されるスピーカーは発電機でもあるため起電力(オーディオ業界では逆起電力と呼んでいますが逆起電力ではありません)が生じスピーカーケーブルからアンプに流れようとします。電線に電流が流れると必ずノイズを出します。このノイズを減らす方法としてツイスト( ツイストペアケーブルは、 アレクサンダー・グラハム・ベル によって1881年