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スピーカー・ケーブル端子 選択のポイント
端子を選ぶ際にYラグ端子とバナナ端子のどちらを選ぶべきか?
それぞれの長所と短所から考えます。
■端子形状
・Yラグ端子:接触面積が広く強固な締め付けに耐えるので接触抵抗が安定する。
・バナナ端子:取り付けは一般的には差し込むだけで利便性が高い。抜き差しを頻繁にしていると接触が甘くなる場合がある。(ロック機構付きのバナナ端子は別)
・ピン端子:ビンテージ・スピーカーの場合は、ピン端子しか選択できないものもある。接触面積は点接触に近い。(点接触ではあるが、バインディング・ポスト側のネジで締め付けるため導通には問題ない)
理屈では、Yラグが良さそうですが、市販のYラグ端子には良いものが少ないです。Yラグであっても材質や表面処理(磨きや下地処理方法、メッキ種類やメッキ厚)が適切でない場合が多く、優秀なケーブルになればなるほど、端子による音質の劣化が顕著になります。
■端子の材質
・導電性:純銀>純銅>ブロンズ(銅と錫の合金)>真鍮(銅と亜鉛の合金)
導電性だけを見れば純銀ですが、音色に銀のキャラクターが出てしまうことがあります。
■表面処理方法(めっき)
金属は空気中に放置すると酸化により錆びてきます。そのため、導電性を維持しつつ金属表面を保護する目的でメッキ(鍍金)加工が施されます。オーディオ用の端子で使われるメッキは、以下のとおりです。
①銀めっき:銀は、酸化でなく硫化(硫化とは硫黄成分に反応して銀が黒く変色することで、空気中の硫黄成分に反応したもの)により黒く変色しますが導通性には影響しないようです。
②銅めっき:銅の金属に銅のメッキをする意味はあまり無いように思います。
銅は、空気中に放置すると酸化被膜(錆びの一種)が生じます。しかし、酸化被膜によりそれ以上酸化が進み錆びることを防ぎます。また酸化被膜は薄いのでホール効果により電流は流れてくれます。オーディオ的には、この酸化被膜も無いのが望ましいです。銅表面を磨いて導線を圧着したあと充填剤と熱収縮チューブで空気を遮断することで酸化被膜を防止できます。
以下は余談です。
中国製の銅端子を輸入し圧着しようとしたところ、あまりにも硬くて、これは鉄の上に銅メッキしたものであると疑いエナメル剥離用の溶剤に1時間ほど浸けておいたところ白っぽい金属が露わになりました。磁石に近づけても吸い付ないので鉄では無いようですが、銅でないことも確かです。この銅端子は、サーキットテスターで調べたところ導通もしないので調べると銅メッキの錆びを嫌ってクリヤーラッカーを掛けてありました。見た目だけ重視の酷い商品でした。それで、ラッカーを剥離するため溶剤に浸けて放置したら銅メッキまで剥離して地金が出たという話です。中国製は定期的に品質破壊検査をする必要があると痛感しています。
③金めっき:純金(24K)は、柔らかいため厚目に鍍金すると金属端子部分の密着性がよくなり、金属端子固有の振動もある程度吸収する効果があります。
④錫めっき:錫はハンダやCPUやICソケットにも使われるなど電子機器の内部配線にも使われます。ただし、金めっきの端子に組み合わせて接触させると腐食の原因になるようです。このことからも、異種金属との組み合わせは電位差を生じるため良くないことが分かります。
⑤ニッケルめっき:ニッケルは、そのまま端子に使用されるほか、金メッキの下地処理に使われます。これが、金メッキの音の煩さの原因になっていると思われます。金メッキの中には、音質に拘って下地処理にニッケルを使わず、金属表面に直接、金メッキをしたものもあります。一般に下地処理をしない金メッキの場合は見た目の輝きがありません。
ニッケルメッキには2種類あるようで、電解ニッケルめっき、無電解ニッケルめっきがあり、オーディオに使えるのは無電解ニッケルめっき(非磁性)である必要があります。
無電解ニッケルめっきであっても、成分と処理方法により磁性を持つため注意が必要です。
無電解ニッケル・リン(Ni-P)メッキはリンの含有率によって磁性を持つ場合とそうでない場合があります。高リン・中リンタイプは非磁性ですが、中リンタイプは280℃以上で2時間加熱すると磁化します。低リンタイプは磁性を持ちます。
⑥ロジウムめっき:ロジウムめっきは、硬いのでスイッチの摺動部分などに使われるようですが、導電性は銀、銅、金のいずれにも劣ります。また音色に独自の強いキャラクターを持つため弊社では絶対に使用しません。オプションでお客様が希望されてもお勧めしません。
⑦ルテニウムめっき:白金系のメッキでは比較的、癖の無いキャラクターなのでお勧めはしませんが、オプションでお客様が希望される場合に限り採用する場合があります。
⑧パラジウムめっき:使ったことが無いのでコメントできません。
⑨プラチナめっき:使ったことが無いのでコメントできません。
■導線の接続方法(手段)音の良い順に列挙すると・・・
・冷間溶接(コールド・ウェルド)
・圧着
・溶接
・ねじ止め
・ハンダ付け(鉛と錫の合金)または(錫-銀-銅)の銀入りハンダ
(補足)
近年、有害化学物質を排除した製品による循環経済社会を目指した環境調和の大きな流れが世界中に広がっておりハンダの鉛が有害物質指定されたため、欧州では、従来のような鉛と錫を使ったハンダは使うことが出来ません。→RoHS指令
それで、鉛を使用しない鉛フリーハンダが使われていますが、音は良くありません。
いわゆる、銀入りハンダがそれで、鉛を使わず、錫-銀-銅の合金ですが融点が高く、ハンダ付け性能も悪いです。作業性や音質を重視すれば、銀入りのハンダは避けた方が良いです。弊社では、国内向け製品は、ハンダの中でも融点の低い共晶ハンダを使用しています。
一般的には、特殊な設備を要しない方法での接続は、圧着、ねじ止め、ハンダ付けのいずれかになります。
※Yラグ端子をケーブルの延長と捉えて音質を極力変えない為には、以下の選択と組み合わせが良いと考えます。
・材質:純銅(無酸素銅)
・ワイヤーの接続固定方法:圧着
・端子の表面処理:無メッキまたは、バインディングポスト側と同じメッキ(一般的には金メッキ)となります。
この条件に合うYラグ端子は、WBTのCu(銅+金メッキ)、オヤイデのGYT(銅+金メッキ)、ニチフの錫メッキを剥離した無メッキの銅(無酸素銅)の3種類ぐらいです。先日まで検討候補に入れていた、Viablueは、ブロンズ(銅と錫の合金)なので候補から外しました。ブロンズの音色は、やや硬めで暗い音です。上述の3種の中では、WBTのCuが高価ですが良さそうです。見た目を気にしなければ、ニチフの無メッキ品が良いかもしれません。
■弊社契約スタッフの非破壊検査担当からのコメント
①WBT純銅に金メッキ:うるさい音が出ます。
②純銅に金メッキ:うるさい音が出ます。
③ブロンズ(銅とスズとの合金 )に金メッキ:音の重たさがあり、 繊細な音が出ません。
④純銅 Y端子 無メッキ :一番自然で癖が無くお勧め、ケーブルの性能を発揮できる。
※④は、無酸素銅を使った電気工事用のYラグ端子で、一般市販品は錫メッキをしたものですが、今回使ったのは無メッキの端子です。仕入れ先の情報によれば錫メッキをしない特注品とのことです。この端子であれば、銅線の延長のような端子なので異種金属結合による電位差は発生せず、予想通りのコメントでした。しかし、見た目が電気工事用の1個数百円の端子ですから10万円以上もするケーブルにつけてお客様が納得してくれるか?カタログ写真に撮っても見映えがしないのが珠にキズです。
注意:契約スタッフのコメントは、あくまで4種類を比較してのもので特定の商品の優劣についてのものではありません。今回比較選定した商品は、どの端子がケーブルのポリシーに整合するかという観点からのコメントです。
スピーカー・ケーブル端子 選択のポイント
端子を選ぶ際にYラグ端子とバナナ端子のどちらを選ぶべきか?
それぞれの長所と短所から考えます。
■端子形状
・Yラグ端子:接触面積が広く強固な締め付けに耐えるので接触抵抗が安定する。
・バナナ端子:取り付けは一般的には差し込むだけで利便性が高い。抜き差しを頻繁にしていると接触が甘くなる場合がある。(ロック機構付きのバナナ端子は別)
・ピン端子:ビンテージ・スピーカーの場合は、ピン端子しか選択できないものもある。接触面積は点接触に近い。(点接触ではあるが、バインディング・ポスト側のネジで締め付けるため導通には問題ない)
理屈では、Yラグが良さそうですが、市販のYラグ端子には良いものが少ないです。Yラグであっても材質や表面処理(磨きや下地処理方法、メッキ種類やメッキ厚)が適切でない場合が多く、優秀なケーブルになればなるほど、端子による音質の劣化が顕著になります。
■端子の材質
・導電性:純銀>純銅>ブロンズ(銅と錫の合金)>真鍮(銅と亜鉛の合金)
導電性だけを見れば純銀ですが、音色に銀のキャラクターが出てしまうことがあります。
■表面処理方法(めっき)
金属は空気中に放置すると酸化により錆びてきます。そのため、導電性を維持しつつ金属表面を保護する目的でメッキ(鍍金)加工が施されます。オーディオ用の端子で使われるメッキは、以下のとおりです。
①銀めっき:銀は、酸化でなく硫化(硫化とは硫黄成分に反応して銀が黒く変色することで、空気中の硫黄成分に反応したもの)により黒く変色しますが導通性には影響しないようです。
②銅めっき:銅の金属に銅のメッキをする意味はあまり無いように思います。
銅は、空気中に放置すると酸化被膜(錆びの一種)が生じます。しかし、酸化被膜によりそれ以上酸化が進み錆びることを防ぎます。また酸化被膜は薄いのでホール効果により電流は流れてくれます。オーディオ的には、この酸化被膜も無いのが望ましいです。銅表面を磨いて導線を圧着したあと充填剤と熱収縮チューブで空気を遮断することで酸化被膜を防止できます。
以下は余談です。
中国製の銅端子を輸入し圧着しようとしたところ、あまりにも硬くて、これは鉄の上に銅メッキしたものであると疑いエナメル剥離用の溶剤に1時間ほど浸けておいたところ白っぽい金属が露わになりました。磁石に近づけても吸い付ないので鉄では無いようですが、銅でないことも確かです。この銅端子は、サーキットテスターで調べたところ導通もしないので調べると銅メッキの錆びを嫌ってクリヤーラッカーを掛けてありました。見た目だけ重視の酷い商品でした。それで、ラッカーを剥離するため溶剤に浸けて放置したら銅メッキまで剥離して地金が出たという話です。中国製は定期的に品質破壊検査をする必要があると痛感しています。
③金めっき:純金(24K)は、柔らかいため厚目に鍍金すると金属端子部分の密着性がよくなり、金属端子固有の振動もある程度吸収する効果があります。
④錫めっき:錫はハンダやCPUやICソケットにも使われるなど電子機器の内部配線にも使われます。ただし、金めっきの端子に組み合わせて接触させると腐食の原因になるようです。このことからも、異種金属との組み合わせは電位差を生じるため良くないことが分かります。
⑤ニッケルめっき:ニッケルは、そのまま端子に使用されるほか、金メッキの下地処理に使われます。これが、金メッキの音の煩さの原因になっていると思われます。金メッキの中には、音質に拘って下地処理にニッケルを使わず、金属表面に直接、金メッキをしたものもあります。一般に下地処理をしない金メッキの場合は見た目の輝きがありません。
ニッケルメッキには2種類あるようで、電解ニッケルめっき、無電解ニッケルめっきがあり、オーディオに使えるのは無電解ニッケルめっき(非磁性)である必要があります。
無電解ニッケルめっきであっても、成分と処理方法により磁性を持つため注意が必要です。
無電解ニッケル・リン(Ni-P)メッキはリンの含有率によって磁性を持つ場合とそうでない場合があります。高リン・中リンタイプは非磁性ですが、中リンタイプは280℃以上で2時間加熱すると磁化します。低リンタイプは磁性を持ちます。
⑥ロジウムめっき:ロジウムめっきは、硬いのでスイッチの摺動部分などに使われるようですが、導電性は銀、銅、金のいずれにも劣ります。また音色に独自の強いキャラクターを持つため弊社では絶対に使用しません。オプションでお客様が希望されてもお勧めしません。
⑦ルテニウムめっき:白金系のメッキでは比較的、癖の無いキャラクターなのでお勧めはしませんが、オプションでお客様が希望される場合に限り採用する場合があります。
⑧パラジウムめっき:使ったことが無いのでコメントできません。
⑨プラチナめっき:使ったことが無いのでコメントできません。
■導線の接続方法(手段)音の良い順に列挙すると・・・
・冷間溶接(コールド・ウェルド)
・圧着
・溶接
・ねじ止め
・ハンダ付け(鉛と錫の合金)または(錫-銀-銅)の銀入りハンダ
(補足)
近年、有害化学物質を排除した製品による循環経済社会を目指した環境調和の大きな流れが世界中に広がっておりハンダの鉛が有害物質指定されたため、欧州では、従来のような鉛と錫を使ったハンダは使うことが出来ません。→RoHS指令
それで、鉛を使用しない鉛フリーハンダが使われていますが、音は良くありません。
いわゆる、銀入りハンダがそれで、鉛を使わず、錫-銀-銅の合金ですが融点が高く、ハンダ付け性能も悪いです。作業性や音質を重視すれば、銀入りのハンダは避けた方が良いです。弊社では、国内向け製品は、ハンダの中でも融点の低い共晶ハンダを使用しています。
一般的には、特殊な設備を要しない方法での接続は、圧着、ねじ止め、ハンダ付けのいずれかになります。
※Yラグ端子をケーブルの延長と捉えて音質を極力変えない為には、以下の選択と組み合わせが良いと考えます。
・材質:純銅(無酸素銅)
・ワイヤーの接続固定方法:圧着
・端子の表面処理:無メッキまたは、バインディングポスト側と同じメッキ(一般的には金メッキ)となります。
この条件に合うYラグ端子は、WBTのCu(銅+金メッキ)、オヤイデのGYT(銅+金メッキ)、ニチフの錫メッキを剥離した無メッキの銅(無酸素銅)の3種類ぐらいです。先日まで検討候補に入れていた、Viablueは、ブロンズ(銅と錫の合金)なので候補から外しました。ブロンズの音色は、やや硬めで暗い音です。上述の3種の中では、WBTのCuが高価ですが良さそうです。見た目を気にしなければ、ニチフの無メッキ品が良いかもしれません。
■弊社契約スタッフの非破壊検査担当からのコメント
①WBT純銅に金メッキ:うるさい音が出ます。
②純銅に金メッキ:うるさい音が出ます。
③ブロンズ(銅とスズとの合金
④純銅 Y端子 無メッキ :一番自然で癖が無くお勧め、ケーブルの性能を発揮できる。
※④は、無酸素銅を使った電気工事用のYラグ端子で、一般市販品は錫メッキをしたものですが、今回使ったのは無メッキの端子です。仕入れ先の情報によれば錫メッキをしない特注品とのことです。この端子であれば、銅線の延長のような端子なので異種金属結合による電位差は発生せず、予想通りのコメントでした。しかし、見た目が電気工事用の1個数百円の端子ですから10万円以上もするケーブルにつけてお客様が納得してくれるか?カタログ写真に撮っても見映えがしないのが珠にキズです。
注意:契約スタッフのコメントは、あくまで4種類を比較してのもので特定の商品の優劣についてのものではありません。今回比較選定した商品は、どの端子がケーブルのポリシーに整合するかという観点からのコメントです。
スピーカー端子は値段から材質まで様々な製品が存在します。
返信削除今回、貴社にノイズキャンセルスピーカーケーブル2本を注文する時に、バナナ端子一組、Yラグ端子一組のそれぞれの端子は貴社にお任せいたしました。
見た目も抜群で高価なスピーカー端子だったらどのような音楽が再生できるのか非常に興味がありますが、現在より音楽性が低下する怖れもあり、ベストではない気がします。
話は変わりますが、一般的にトールボーイ型スピーカーは、聴く側に向けて内側に左右のスピーカーを設置するというのがよく言われていたので、私もそのように設置してきました。
しかし、フィデリティゲートのオーディオケーブルが多数を占め、相位の揃った正しい音質で再生可能となったので、トールボーイスピーカーを聴く側に向けてほぼ真正面に設置してみました。
以前は音楽が中央に固まり、開放感が今一歩でしたが、現在は、透明感や高域の伸び、中低音の厚みはそのままに、分解能と開放感が向上してより自然に音楽に浸れるようになりました。
いつも、コメントを頂き感謝しております。お客様からのコメントを頂くことで、お客様の求めているものが何かを知る貴重な機会です。さて、岸様に納品させていただいたケーブルの端子はバナナは数多くの端子を比較試聴して、一番癖の無い端子を選択し、現在弊社のケーブルの標準端子として採用しています。Yラグ端子はナカミチという一世を風靡したカセットデッキで有名なブランド品ですが、既にナカミチはメーカーとしては存在しておらず、中国の企業がブランドを買収しナカミチブランドでパーツを提供しているもののようです。ナカミチのYラグ端子は、最近Amazonでも販売されるようになりましたが、この端子を選んだ時、Yラグ端子部分が取り外し交換が可能で、これならば、先端をバナナに交換できると考え大量に仕入れてしまいました。ところが交換用のバナナ端子部分は販売されておらず、多くの在庫を抱えています。バナナに交換できなければ、Yラグ端子の取り外しは不要な機能です。また使っているうちにゆるんで外れる可能性もあります。交換する必要がないので、最近では、ナカミチのYラグ端子を使う場合は、ネジ部分を潰してから捻じ込み、簡単に外せないようにしてから出荷しています。電気的な接触の確実さや、音色の変化を考えると銅線を圧着できる圧着端子のほうが性能的にも安心できます。ただし、ご覧の様に電気工事用のYラグ端子なので、見た目の所有欲は、満たせませんが、音は最も色付けが無く、微妙なニュアンスの再現性もワイヤーをスピーカー端子に直付けしたものに遜色ありません。ケーブルの性能が一般的な端子よりも数段進化したために、ケーブルに見合う端子が無いのが実情です。ご指摘の通り高価でデザイン性に優れた端子が必ずしも最良とは言えず、実際に音を出してみると音楽が聴こえてこない端子は山のようにあります。
返信削除トールボーイのスピーカーの設計は、海外が先行していますが、本来の目的は、リスニング環境に於いてスピーカーを目立たせないためと聞いています。トールボーイは、それ自体がスタンドの機能を併せ持ちスタンド部分の容積を使うことで、箱容積を容易に増やすことが出来ます。スピーカーを聴く側に向けてほぼ真正面に設置するのが本来の設置方法です。そうすることで、左右スピーカーを結んだ面にステージ空間を展開出来ます。より確実に音場を形成するためには左右スピーカーの上面に水準器を載せて、左右のスピーカーの水準(垂直)を出してください。
また、以前お話したと思いますが、部屋の広さにも寄りますが、左右スピーカーの間隔はボイスコイルの中心位置で測定し、1.5m, 1.8m, 2.1m, 2.4mという30センチづつ移動させて部屋の環境に合わせ、リスニングポジションで確認してよい位置に設置します。できれば、スピーカーの後ろの壁との距離も同様に30センチ間隔で前後させて確認されると良いです。部屋も一つのスピーカーエンクロージャーであると考えれば、どこにスピーカーを設置するかで、リスニングポイントに於ける、室内の定在波の影響を軽減することが出来ます。