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ケーブル物語:デジタルケーブルで信号は劣化するでしょうか?

 理想的なデジタルケーブルを製作するため周波数依存性のある塩ビのシースを剥ぎ取ります。

塩ビのシースを剥ぎ取り、低誘電率の架橋ポリエチレン被覆に変更し180℃で熱収縮した後、自然冷却します。写真左が架橋ポリエチレン被覆に変更された同軸ケーブル、写真右が剥ぎ取った塩ビ被覆の残骸です。


振動対策としてPETスリーブを三重に被せて締め上げ最高峰の同軸ケーブルが完成します。同軸内部の絶縁体も発泡ポリエチレンで空気層を多く含んだ低誘電率の素材です。
この後、仕様によりBNCまたはRCA(渦電流を回避するため点接触型)プラグを取り付けます。

DIG3000-1.0m RCA

S/PDIFについてネット上にある情報をケーブル制作者の視点から要約しました。

S/PDIF(Sony Philips Digital InterFace、ソニー・フィリップス・デジタル・インターフェース=エスピーディーアイエフ)とは、映像・音響機器などで音声信号をデジタル転送するための規格です。

S/PDIFを採用するケーブルには同軸ケーブルのほか、光ケーブルも S/PDIFを採用します。USBケーブルの転送方法は異なりますので、ここでは同軸75ΩのS/PDIFについて考察します。

■デジタルケーブルで信号は劣化するでしょうか?

デジタル伝送に於いては、致命的なエラーは生じていないことが多くの実験結果からわかっています。☚デジタルデータは、劣化しないと言えなくも無い?

もし、致命的なエラーが発生した場合はデータの転送そのものが失敗し、現象として聴感上はプチプチしたノイズや音が途切れたり連続的なホワイトノイズが発生し、最悪の場合はデバイス(DACなど)を認識せず接続が切れてしまいます。しかし、音が同軸ケーブル(S/PDIFの転送品質)の違いで劣化するのも事実です。なぜでしょうか?

S/PDIFは、*ジッターに関しては、**アナログ信号です。DAC回路の時間軸は入ってくるS/PDIF信号に追従していますから、音質はS/PDIF信号の時間軸の通信品質で決まります。更にS/PDIF信号のノイズ成分もジッターとしてDAC回路の音楽信号を揺るがす事になり、結果としてS/PDIF信号の時間軸の通信品質がデジタルオーディオの音質を決することになります。

*ジッターとはデジタル信号の時間軸の揺らぎのこと

**アナログ信号とは連続的に変化する信号のこと

■S/PDIF転送の宿命

S/PDIF転送は、一方通行の信号で送り出し側がマスター、受信側がスレーブという関係です。スレーブ側では送り出し側のクロックに同期して受信するため、特別な3連続信号のプリ・アンブルを捕まえて同期します。

更に、DAC側で必要になる(SystemClock)を転送する手段が用意されていないためPLL(Phase Locked Loop : 位相同期回路)により同期信号を128倍もしくは256倍に逓倍してSystemClockを作り出す必要があります。しかし、PLLによる逓倍は、2~4倍程度なら*ジッターが極端に増えることがなくとも、256逓倍ともなるとわずかな*ジッターでも大きく拡大されてしまいます。S/PDIFでは、音声データだけでなく同期信号も、すべて1本のケーブルで転送するため、このように様々な制約を受けることになります。

*ジッターとはデジタル信号の時間軸の揺らぎのこと

ここまでの記述を読んで、デジタル信号で音質は劣化しないと思い込んではいけません。(続きは次回)

ケーブル物語:デジタルケーブルで信号は劣化するでしょうか?その2へ

https://fidelitygate.blogspot.com/2021/09/blog-post_26.html  ☚その2

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