同軸50Ω試作品
手作りの同軸ケーブル(素性の良いケーブルを改造して制作します)
■マスタークロックジェネレーター専用ケーブルは、需要が少ないためか50Ωの専用ケーブルは一部を除きほとんどありません。 弊社は全品手作りなので大量生産は出来ませんが、少量生産であれば理想的な電設資材を組み合わせた製品の制作が可能です。
ケーブルは、素材の選択も重要ですが、それ以上にケーブル構造や素材の組み合わせと振動対策が重要です。
一般に市販されていて入手可能なケーブルでは、制作者の観点から見た要件を満たしていません。それで、弊社のケーブルは、市販のケーブルの中から素性のよいものを選び出して、必要なワイヤーだけを分解して取り出す作業から開始します。絶縁被覆もPVC(塩ビ)は周波数依存性を持ち、周波数によって静電容量が変化するため信号系には使いたくありません。昔ながらの木綿や絹などの天然素材が最良ですが、次善の策としては、フッ素系の樹脂やポリエチレンを選択しています。
そのポリエチレンにも、充実タイプ、発泡タイプ、架橋タイプがあり、誘電率を考慮すれば発泡ポリエチレンか架橋ポリエチレンになります。3D2Vや5D2Vには架橋ポリエチレンのケーブルは存在しないため、選択肢は発泡ポリエチレンになります。フッ素系の絶縁被覆は大量に発注できる大手メーカーでないと入手出来ません。
選択した発泡ポリエチレンのケーブルであっても、ケーブルのシースはPVCなので全て剥ぎ取ります。シースは編組シールドに密着しているので先に書いた理由から望ましくありません。PVCのシースを剥ぎ取ったままでは、編組シールドが酸化して劣化しますので低誘電率のポリオレフィン系の熱収縮チューブを被せて空気と絶縁します。1本1本ヒートガンで収縮するので忍耐が必要です。このあと、オーガニックコットンのスリーブやメッシュスリーブを組み合わせ静電気と振動対策をして漸くケーブルが出来上がります。
最後にBNC端子を付ければデジタルケーブルの完成です。
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