弊社の受注は、販売店やネットからの問い合わせによる直販が多いのですが、
今回、初めての電話による問い合わせで注文を頂きました。
問い合わせ内容は、レコードプレーヤーが古くなったので、プレーヤーの販売からセットアップまでしてほしい。というものです。
主としてJAZZのLPを聴くことと、出来る限り低価格でというものでした。
低価格といっても5万円以下のものはアームがお粗末なものが多いので、候補から探す必要があります。(調査してわかったことは、発売後3年待たずに生産完了品が多いことです)
いくつかの候補からTEAC TN-350-SE/CHを選択し、テストレコードを持参してセットアップすることにしました。
[テストレコード]の内容から特に、インサイドフォースキャンセルと針圧調整による歪みの変化に注意して設置調整を行います。
・AUDIO TECHNICAL RECORDS
2024/10/11:プレーヤーの到着待ち。
2024/10/12:プレーヤーが到着。
お客様に連絡し作業日程を調整。
2024/10/13:午後3時に訪問作業予約。
2024/10/13:午後3時に現地到着。
駐車場を探していたら、ご主人が庭先に出てきて
黒いクルマの隣に停めるよう指示があり
駐車場側に移動すると黒のロールスロイスでした。
さっそく、プレーヤーを持込組み立て、水準器でラックの傾きを調べ、5円硬貨で水準が出るよう修正してからRCAケーブルを接続し、テストレコードで基準針圧1.4grから始めました。
しかし、音がやたら歪っぽいです。聴くに堪えません。Amazonで下調べしたときのレビュー(針飛び)とそっくりの現象が出ているようです。
レコード盤やトラックを変えたり針圧を1.4grから2.5grまで変化させても改善しません。針飛びによる歪のようでいて、静電気のスパイクノイズらしきものが混じっているようにも聞こえます。
アンプはテクニクスのフォノイコライザーです。
プレーヤーの躯体に触れるとハウリングが起きているようにも聞こえます。
ノイズのゲインがやたら大きく肝心の再生音は歪んでいるだけで音は小さめです。
テクニクスアンプのイコライザーがサチレーション(飽和状態)を起こしているようです。
レコードプレーヤーの後ろを確認します。内蔵フォノイコライザーがONになっていました。
内蔵フォノイコライザーがACアダプター(スイッチング電源)のノイズを拡大し、そのままRCA出力端子に送られているようです。
さっそく内蔵フォノイコライザーをOFFにしました。
今度は問題なく再生出来ました。
出てくる音を聴かれた、ご主人は、「鳥肌が立つような音で驚いた」。
「今までと全然違う」と喜んでいました。
針圧は、1.6grで固定しましたが、レコード盤によってはもう少し重め1.8grから2.2grが良いかもしれません。
※Amazonのレビューは針飛びでは無く、プレーヤ―の内蔵イコライザーがONになっていたのでは?と推察します。
2024/10/13:午後4時無事セットアップを完了して帰ってきました。
【作業内容】レコードプレーヤーセットアップ
①設置場所の水準と床の強度を確認
②電源接地極性確認
③レコードプレーヤー組み立て
④レコードプレーヤー水準調整
⑤アーム針圧調整(レコード面に対し垂直・水平を調整)
⑥テスト信号と無響室録音で歪確認しながら適正針圧に追い込む
⑦ インサイド・フォース・キャンセラー調整
※⑥と⑦を繰り返して追い込む
⑧アンプのフォノイコと内蔵フォノイコの比較選択
コメント
コメントを投稿