スキップしてメイン コンテンツに移動

HS-LINK Ver.2対応LANケーブル(試作品)

Accuphase「DP-950/DC-950」間の接続に使われるデジタル・オーディオ・インターフェース“HS-LINK”Ver.2対応のLANケーブルを試作中です。
従来はケーブル内の8本の芯線の内2本(±1組)で全情報を伝送していたのが、Ver.2では6本(±3組で音声データ1組とクロック2組)を使用しています。LANケーブルは8芯なので2本は遊んでいます。弊社のお客様から付属品のケーブルはイマイチなのでよいケーブルが出来ないか?ということで試作してみました。遊んでいる2本の使い道がポイントです。
現在、圧着ツールを手配中でツールの到着待ちです。
      写真が“HS-LINK”Ver.2対応のLANケーブルです。

コメント

  1. Ver.2では6本(±3組で音声データ1組とクロック2組)を使い2本は遊んでいます。しかし、そのピン・アサインは公開されていません。今週末にお客様の所に伺って実機を確認することになっています。遊んでいる2本は、音声データの強化に使う予定ですが、クロック2組をシールドするか音声1組もシールドするかも見極めないとなりません。ノイズの問題さえ無ければ、むやみにシールドすることは信号が鈍る原因になるからです。そのため、テスト用のLANケーブルを数本試作して持参することになります。

    返信削除
  2. 11月22日にお客様を訪ねてトランスポートとDACの説明書を見せていただきました。AccuphaseDP950とDC950の取り扱い説明書を確認しましたが、HS-Linkの仕様については一切記述が無く仕様は非公開であることが分かりました。お客様の120万円(セットで240万円)もするセットを分解するわけにもいかず、別の方法で調べることにしますが、当日は夜に伺った関係で一般市販のLANケーブルでも信号伝送上は問題ないことを確認しただけで引き揚げて来ました。DP950とDC950に付属するHS-LINK用のLANケーブルはCat5ケーブルと大して変わらないことも分かりました。ただ、シールドは3重構造のようです。シールドが、どの程度性能に寄与しているかは分かりません。あまり良い音でないLANケーブルであることは分かりました。

    返信削除
  3. 試作1号機は、AWG 28を使いましたが、RJ45(Cat.6)モジュラープラグでは、適切なロードバーが無いためワイヤーが正確に接触成端できず歩留まりが悪いためAWG28の採用を断念しました。あらためて、AWG24で試作して評価します。

    返信削除
  4. AccuphaseDP950とDC950の実機が弊社には無いため、LANケーブルテスターで導通チェックしてから、お客様宛に発送しました。近日中に評価結果を確認します。試作LANケーブルの音質が優位であれば、次回は、未使用ピンを確認して試作2号機の制作に着手します。

    返信削除
  5. 早速、お客様から携帯電話に連絡が入りました。Sさんも呼んで2人で試聴されたそうです。中音域が明瞭で特に良く、A●M電子の75,000円のLANケーブルよりも良いと大変喜んでいました。950付属品のLANケーブルとは比較にならないそうですが、その最大要因は、シールドしないメリットが大きいようです。アナログ・レコードと遜色ない自然な音のようです。
    やはり、LANケーブルに於いてもノイズさえ問題無ければシールドは無いほうが音が良いことが証明されました。ただし、オーディオシステム環境で弊社のノイズアイソレーションケーブルをRCAケーブルからスピーカーケーブル、そして電源ケーブルまで使用されているので、他のケーブル(電源やスピーカーケーブル)から輻射されるノイズが少ない環境であることも関係していると思います。

    返信削除
  6. お客様の所に伺い試作LANケーブル2号機の音質評価をしました。
    結果は、悪くは無いが1号試作の方が優れていると言う事でした。相違点は、ツイストのピッチと回転方向の違いです。次に、ピンアサインの未使用箇所を見つけて確定しました。これで、最終試作品の仕様を決める事が出来ます。試作品は3種類作製して音質評価します。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

ケーブル物語

6 スピーカー・ケーブル端子 選択のポイント 端子を選ぶ際にYラグ端子とバナナ端子のどちらを選ぶべきか? それぞれの長所と短所から考えます。 ■端子形状 ・Yラグ端子:接触面積が広く強固な締め付けに耐えるので接触抵抗が安定する。 ・バナナ端子:取り付けは一般的には差し込むだけで利便性が高い。抜き差しを頻繁にしていると接触が甘くなる場合がある。(ロック機構付きのバナナ端子は別) ・ピン端子:ビンテージ・スピーカーの場合は、ピン端子しか選択できないものもある。接触面積は点接触に近い。(点接触ではあるが、バインディング・ポスト側のネジで締め付けるため導通には問題ない) 理屈では、Yラグが良さそうですが、市販のYラグ端子には良いものが少ないです。Yラグであっても材質や表面処理(磨きや下地処理方法、メッキ種類やメッキ厚)が適切でない場合が多く、優秀なケーブルになればなるほど、端子による音質の劣化が顕著になります。 ■端子の材質 ・導電性:純銀>純銅>ブロンズ(銅と錫の合金)>真鍮(銅と亜鉛の合金) 導電性だけを見れば純銀ですが、音色に銀のキャラクターが出てしまうことがあります。 ■表面処理方法(めっき) 金属は空気中に放置すると酸化により錆びてきます。そのため、導電性を維持しつつ金属表面を保護する目的でメッキ(鍍金)加工が施されます。オーディオ用の端子で使われるメッキは、以下のとおりです。 ①銀めっき:銀は、酸化でなく硫化( 硫化とは硫黄成分に反応して銀が黒く変色することで、空気中の硫黄成分に反応したもの)により黒く変色しますが導通性には影響しないようです。 ②銅めっき:銅の金属に銅のメッキをする意味はあまり無いように思います。 銅は、空気中に放置すると酸化被膜(錆びの一種)が生じます。しかし、酸化被膜によりそれ以上酸化が進み錆びることを防ぎます。また酸化被膜は薄いのでホール効果により電流は流れてくれます。オーディオ的には、この酸化被膜も無いのが望ましいです。銅表面を磨いて導線を圧着したあと充填剤と熱収縮チューブで空気を遮断することで酸化被膜を防止できます。 以下は余談です。 中国製の銅端子を輸入し圧着しようとしたところ、あまりにも硬くて、これは鉄の上に銅メッキしたものであると疑いエナメル剥離用の溶剤に1時間ほど浸けておいたところ白

ケーブル物語:デジタルケーブルで信号は劣化するでしょうか?

 理想的なデジタルケーブルを製作するため周波数依存性のある塩ビのシースを剥ぎ取ります。 塩ビのシースを剥ぎ取り、低誘電率の架橋ポリエチレン被覆に変更し180℃で熱収縮した後、自然冷却します。写真左が架橋ポリエチレン被覆に変更された同軸ケーブル、写真右が剥ぎ取った塩ビ被覆の残骸です。 振動対策としてPETスリーブを三重に被せて締め上げ最高峰の同軸ケーブルが完成します。同軸内部の絶縁体も発泡ポリエチレンで空気層を多く含んだ低誘電率の素材です。 この後、仕様によりBNCまたはRCA(渦電流を回避するため点接触型)プラグを取り付けます。 DIG3000-1.0m RCA ■ S/PDIFについてネット上にある情報をケーブル制作者の視点から要約しました。 S/PDIF(Sony Philips Digital InterFace、ソニー・フィリップス・デジタル・インターフェース=エスピーディーアイエフ)とは、映像・音響機器などで音声信号をデジタル転送するための規格です。 S/PDIFを採用するケーブルには同軸ケーブルのほか、光ケーブルも S/PDIFを採用します。USBケーブルの転送方法は異なりますので、ここでは同軸75ΩのS/PDIFについて考察します。 ■デジタルケーブルで信号は劣化するでしょうか? デジタル伝送に於いては、致命的なエラーは生じていないことが多くの実験結果からわかっています。☚デジタルデータは、劣化しないと言えなくも無い? もし、致命的なエラーが発生した場合はデータの転送そのものが失敗し、現象として聴感上はプチプチしたノイズや音が途切れたり連続的なホワイトノイズが発生し、最悪の場合はデバイス(DACなど)を認識せず接続が切れてしまいます。しかし、音が同軸ケーブル(S/PDIFの転送品質)の違いで劣化するのも事実です。なぜでしょうか? S/PDIFは、*ジッターに関しては、**アナログ信号です。DAC回路の時間軸は入ってくるS/PDIF信号に追従していますから、音質はS/PDIF信号の時間軸の通信品質で決まります。更にS/PDIF信号のノイズ成分もジッターとしてDAC回路の音楽信号を揺るがす事になり、結果としてS/PDIF信号の時間軸の通信品質がデジタルオーディオの音質を決することになります。 *ジッターとはデジタル信号の時間軸の揺らぎのこと **アナログ信

ケーブル物語11 電線に電流が流れるとノイズが発生する

ケーブルについては、相当な高額を機材に投入しているオーディオマニアの方でも1m150円前後のスピーカーコード(ケーブルでなく電源コードと同じ構造の平行2線式)を使われている方がいます。その方はタンノイのWestminster royalというものすごいスピーカーを使われていました。左右セットで600万円以上します。その他の機材を含めれば軽く1000万円を超えていました。一般的なオーディオケーブルに対する認識はその程度のものです。 その Westminster royal から再生されていた音は、一言で言えば、喧しい音でした。広いリビングルームなので1m150円前後の平行2線式コードが10m近く引き回されていました。これではノイズを拾いまくり、またコードの被覆がビニールですから喧しくなって当然です。 オーディオは趣味嗜好が優先するので本人が満足していれば、それを否定する必要は全くありません。余計なお世話です。しかし、音楽という時間芸術をより深く楽しみたい、演奏者の魂に少しでも触れたい、あるいは歴史的な録音を再現したい、と考えるのであれば、真剣にケーブルについて考察する必要があります。 ■電線に電流が流れるとノイズが発生する なぜ、電源コードのようなスピーカーケーブルでは駄目なのでしょうか? 電灯を灯すために使うのであれば、電源コードでも大きな問題はありません。 それでもオーディオ機器に近接して電灯を使う場合は、平行2線式のコードでは問題があります。 その理由は、電灯を灯すときに流れる電流は交流の100V/50Hzまたは60Hzで、電源コードの平行2線式ではノイズを周囲に出しまくるからです。スピーカーケーブルに流れるオーディオ信号は歪波交流という交流信号で電源コードに流れる周波数は50Hzや60Hzのような正弦波と異なり、20Hz ~20,000Hzまでの複雑な歪波交流信号です。さらにスピーカーケーブルの末端に接続されるスピーカーは発電機でもあるため起電力(オーディオ業界では逆起電力と呼んでいますが逆起電力ではありません)が生じスピーカーケーブルからアンプに流れようとします。電線に電流が流れると必ずノイズを出します。このノイズを減らす方法としてツイスト( ツイストペアケーブルは、 アレクサンダー・グラハム・ベル によって1881年