◆24時間経過後でもケーブルに大きな変化を生じない理由。(LANケーブル開発中に分かったコットンスリーブの効果)
関連する項目:絶縁体の比誘電率、絶縁体の周波数依存性、絶縁体の帯電列、絶縁体の誘電正接、誘電分極。
■24時間経過後でもケーブルに大きな変化を生じない理由。☚エージング時間短縮の可能性
PVC(塩化ビ二ール)のシースを剥ぎ取り、 ワイヤーのポリエチレン被覆に直接接触するように被せたコットンスリーブの効果です。
木綿の比誘電率(空気の1.0を基準)は、3から3. 5で絹の1.3から2.0に比べると若干大きく、 ポリエチレンの比誘電率
2.4よりも大きいのでメリットがないように考えますが、 実は木綿単体でなく繊維織物なので空気を多量に含んでいる点と
木綿の持つ帯電列が、 身辺にある物質の中で最もニュートラルなのが木綿です。
木綿の帯電列は電荷が±ほぼゼロで帯電しにくい物質です。 絹や麻も帯電しにくいですが絹はプラスに帯電し麻はマイナスに帯 電します。
ケーブルの導体に電流が流れると同時に電界(電場)と磁界が発生し、 この時、絶縁被覆は、 電界の影響で物質固有の比誘電率に応じた帯電をします。
一種のコンデンサーですが、 この比誘電率が高いほど優秀なコンデンサーですが、 ケーブルに於いてのコンデンサー(静電容量)は、信号の位相特性に
影響を与えます。時間と共に充放電を繰り返し、 位相も回転するため位相が逆位相であれば信号は消去され、 逆に正相であれば強調されるので、
音楽信号が消えたり強調されたりします。
時間のズレはTV受像機の画面に現れるゴーストのように音楽を濁らせます。
ケーブルによる忠実な信号伝送は、このように、大変な困難が伴います。
エージング 24時間経過で、 あまり音質に変化が起きないのはたいへん良いことです。
これが、石油から作られる高分子系のケーブルと天然素材(絹・麻・木綿など)のケーブルによる 音質の違いです。
ポリエチレンの電荷を中和するのに木綿が大きな仕事をしてくれます。
これらの現象は、高周波を取り扱うデジタルケーブルでも生じます。
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