■弊社のバランスケーブルと他社のバランスケーブルの構造的な違い。
バランス接続(平衡接続)には3本の電線が必要です。
他社製ケーブルの多くは2芯シールドを使い2番ホット(正相+) 、3番コールド(逆相-)、1番グランド( 正相と逆相の基準となる接地ゼロ電位)の各ピンに接続されています。 (この接続は、民生オーディオの世界では比較的最近の規格: AES14- 1992で標準化されたと記憶していますが国内メーカーの一部で は、未だに2番コールド、 3番ホット接続の有名メーカーも存在しています: アキュフェーズなども、3番ホットですが、2番ホットに スイッチでの切り替えは可能になっています)
更に業務用の一部には、3芯のシールドを使い、2番ホット、 3番コールド、1番グランド、 4番にシールドアースという接続のケーブルもあります。
■フィデリティゲート・バランスケーブルの構造上の特徴
①単線によるリッツ構造( 単線1本ごとに絶縁被覆を被せています)
②線径はAWG28~AWG23の比較的細い単線を採用
③基本はツイストペアとスターカッドを併用した多重ツイスト構造
④スターカッドの対角線に配置されるツイストペアは逆回転のツイ ストペアで二重螺旋構造(XLR3500とXLR5000の場合)として更にノイズ キャンセル効果をケーブル単体でも高めています。
⑤①から④を採用した効果を最大限に活用するためXLRコネクタ の内部に隠されたアースピン(ここでは4番と呼びます) を使って接続しています。☚1番のグランド線と4番(E)をスターカッド線の電磁的結合により間接的に接続されます。このため、弊社のケーブルは、他社の様に3本でなく最低4本の線が必要です。実際には、2ピンにスターカッドを構成するため8芯が必要になります。
他社製では4番(E)は、ジャンパー線で1番グランドと4番(E) を短絡し共通化していますが、これでは(E)の接続先である機器のシャシは、必ずしもゼロ電位ではありませんし、接続される相手側の(E)の電位とも一致するとは限りません。弊社の場合は4番も独立してスターカッド の一部として活用し1番グランドと4番(E)で発生するわずかなノイズもキャンセルしています。そのためアン・ シールド結線でも十分なS/ N比をケーブル単体で確保しています。
⑥上位モデルのXLR5000では、 要求仕様の長さの2倍以上の単線を半分の長さで逆回転で折り返し リッツ線の量を2倍(XLR3500では8芯を、XLR5000では16芯のリッツ構造)としています。また、逆回転とすることで、インダクタンス成分をキャンセルしています。
これらの多重リッツ構造は制作に非常に手間が掛かるため通常は2 mのケーブルまでしか製作できません。 特注扱いでも3mまでです。
それで、①、②、③、④までの特徴は活かしたまま、 3m以上のケーブルにも対応する為に新製品として2重シールドを 採用した新製品:XLR4500を開発しました。XLR4500 は、 左右二重螺旋構造を省略した代わりに二重シールドとすることで実 用性能を確保しています。
■XLR3500、XLR5000、XLR4500(新製品) いずれも基本の多重ツイストによるリッツ構造は共通仕様です。
またコネクタピンの4芯接続によるフル・バランス仕様となってい ます。オーガニックコットンスリーブによる静電気対策は、XLR3500とXLR5000で共通(XLR4500は紙巻き)で す。
XLRのバランスケーブルは、現行2種類ありますが、 長さが3mを超えると制作が困難になりますため3mを超える場合は、仕様が① のXLR3500のみの対応とさせていただいています。
■2月に新製品として③のXLR4500を発売予定です。
仕様は参考の③をご覧ください。
参考①XLR3500
仕様:単線AWG28ツイストクワッドのリッツ構造8芯XLRケ ーブル4.0mペア左右2重螺旋☚4mまで対応。
価格:180,000円+消費税☚4mまでの場合です。
参考②XLR5000
(特長: XLR3500の2倍の単線ワイヤーを使い1/ 2の長さで逆回転で折り返した構造)
仕様:単線AWG28ツイストクワッド・アレイのリッツ構造16 芯XLRケーブル2.0mペア左右2重螺旋 ☚2mまでの対応です。(ワイヤーは片chで4.5m以上使用します)
参考③XLR4500
(特長:XLR3500のワイヤーを、AWG2 3単線に変更して編組シールドを追加した構造、二重螺旋はコストと手間のため廃止) ☚5mまで対応。
価格:150,000円+消費税☚4mまでの場合です。
XLRプラグは全てスイッチクラフト社製の銀メッキコンタクト3 ピン仕様(内部のEを追加して4芯で使用)です。
全モデル単線リッツ構造で、 静電対策はXLR4500のみ紙巻きですが、 外部からは見えません。
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