XLR7500CU/5.0m(受注生産品)
制作目標
ハイスピード
重心が低く
解像度も高い低域に、
抜けの良い中域と写実性溢れる高域を再生し、
音楽を自然に再生する音質のバランスケーブルを希望
という仕様書が届きました。
音を言葉で正確に表現するのは困難で、齟齬が出やすいため、一つ一つ再定義していきます。
・ハイスピードとは?
立ち上がりが速く、立ち下がりも速い音と説明されていることが多いです。
別の表現をすれば、信号波形に対する追従性が高いと考えられます。
電気的な説明を補足すれば以下のようになります。
矩形波(方形波)の立ち上がりの部分で波形が定常値をいったん超過後に引き返すように定常値に近づく現象のことをオーバーシュート、逆に立ち下がりでの現象をアンダーシュートといいます。
ハイスピードな音とは、立ち上がりや立ち下がりでの不要な波形の乱れがなく正確に反応の早い音であると定義することにします。
・重心が低いとは?
これは、抽象度が高い表現であり、比喩的に使われています。
コントラバスのE弦を開放弦で鳴らした時に生の楽器とほぼ同等の響きが得られていれば、重心が低いと表現しても良いのかもしれません。耳で聞くだけでなく皮膚感覚で感じられる低音が表現されれば、重心が下がったように聴こえると思います。
次に繋がる項目もすべて音が濁らずに低雑音で歪みなく高忠実度な再生のことを指していると考えます。
↓
解像度も高い低域に、
抜けの良い中域と写実性溢れる高域を再生し、音楽を自然に再生する音質
ケーブルで音質を劣化させないように留意すれば、ワイヤーの材質、線径、構造、絶縁被覆の影響と制振対策、静電対策を工夫して組み立てることになります。
弊社が多用するリッツ構造も線間距離が近すぎると近接効果により表皮効果を思ったほど回避できません。隣接する線間の距離は、経験的に線径の2倍以上離す必要があります。
コストと製造上の制約もありますので、できる限りでということになりますが、それでも目標達成する上で、譲れない部分もあります。
具体的には、単線によるリッツ構造、左右二重螺旋式ツイストクワッド、静電対策と制振対策に木綿スリーブとメッシュスリーブを組み合わせる、端子は銀メッキという仕様になります。
2023-08-11
ケーブル有効長を5mに対し用意するケーブルは片chあたり1次ツイスト状態で5.2m以上必要になります。まず、左右回転二重螺旋式で2番:ホット、3番:コールドのケーブルを製作します。
次に静電気対策でコットンスリーブを被せます。5m被せるのに5時間ぐらい掛かります。
ここまでで、凡そ3,4日掛かりました。
そのあと、コットンスリーブの上に、無誘導抵抗の巻き線の様にツイストして1番:グラウンドとE端子用にフッ素系樹脂絶縁の単線を二重螺旋式に巻き付けます。
この後、PETスリーブを三重に被せて片ch分のケーブルが完成します。
明日以降、もう片ch分の製作に取り掛かります。
幸運にも、納品時のチェック時に試聴させていただくことができました。
返信削除初め、5mの長尺ものということで、ピュアオーディオに使うのはどうかなと考えていました。
私もリッツ線構造の8mXLRケーブルを、マルチチャンネルで使っていますが、ピュアオーディオに使ってみた時、同社の特徴と思っている音の躍動感が、若干失われているように感じているからです。
今回の長尺ものでは、これを感じることはなく、低域の立ち上がり、分厚い中域、音離れの良い高域を体験できました。私が現在使っている1mのXLRケーブルと比較してみたいと思いました。
さらに、先日納品していただいたLANケーブルも、CD→プリアンプ間をフィディリティゲートにすれば、ほぼ統一できる環境で比較試聴することができましたが、特徴が顕著に出ていて、日頃馴染んでいる音に近く聴いていて楽しかったです。
我が家のシステムも、もう少しでフィディリティゲートに一本化することができますが、他の製品より音の好みがどハマりしているため、とても満足度が高いです。
早速のコメントありがとうございます。本日、お客様宛に出荷しました。どのような感想コメントが頂けるか楽しみです。
返信削除関口様に製作をご依頼しましたXLRケーブル5m(XLR7500CU 5m)が届いてから3週間が過ぎようとしています。
返信削除幸運な事に今回でオーディオケーブルが全てフィデリティゲート製になりました。ここまで来るのに10年の年月が経過しました。
さて、新XLRケーブルですが、プリアンプとパワーアンプ間で接続しています。まとまった時間が取れず、1日に1時間程度CDを再生しながらエージングを開始しました。
エージング開始から12日目(12時間)までは以前使用していた◯◯◯◯電気のXLRケーブルより音抜けが悪く生温い音質だったので少し焦りましたが、13日目に突然覚醒して驚きました。
音の定位が以前より正確に決まり、それぞれの楽器やVoがピンポイントに再生され、更に音場まで広くなり、家に居ながらライヴやコンサート会場で聴くような躍動感を聴くことができます。
高域は実在感溢れながら耳障りが少なく情報量が増大、躍動感と抜けの良さに厚みが加わった中域、抜群の解像度とズッシリと沈みながら軽快な低域といった音楽を愉しむ者にとって「福音」とも言える片鱗を見せるようになってきました。
関口様にお話を伺うと、「今回のケーブルは単線の10芯で、その為エージング時間が最低100時間、推奨150時間程度必要で、その途中で一時的に音抜けが悪くなりまる場合があります」との回答をいただき、まさしくその通りに再生する毎に音質が良い方向に向かっています。
音の癖が極力少なく、音楽をありのまま躍動感を伴って再生してくれるフィデリティゲートのオーディオケーブルを全て揃えて間違いはありませんでした。
エージングが進みましたらまたご報告いたします。
秀逸なXLRケーブルを作っていただきありがとうございました。
試聴結果のご報告ありがとうございます。エージング(バーンイン)については、エージング用のCD(NORDOST)などを利用することで効率的にバーンインを実施出来ます。CDは、必要なトラックをリピート再生することで行います。音楽を音源にしても良いですがエージング用の音源のほうが電流密度が高いのでエージングを効率的に完了出来ます。弊社のケーブルは、ツイスト構造を多様するため、ツイスト時の応力によりワイヤーがストレスを受け、応力ひずみが解放されるまでは、音抜けに影響します。エージング時にはスピーカーから音出しする必要がありません。したがってパワーアンプの電源はOFFにしておけば、昼夜エージングを進める事が出来ます。音楽を聴きながらのエージングの場合は、性能を発揮するには3ヶ月から6ヶ月掛かると思います。ご了承願います。関口
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