昨年、Android用TypeCコネクタのUSBを製作しましたが、実際の需要(引き合い)はiPad用ライトニングのUSBケーブルが多いです。いずれは、ライトニングを廃止してUSB TypeCになるという予定があるようなのですが、それまでは、ライトニングコネクタでの接続希望が圧倒的です。ただし、ライトニングとUSB/Cの変換プラグは、ばらつきが多く、はじめは認識してもしばらくたつと接続が切れるようです。
DAISOで、MFi認証のライトニングケーブルを見つけたので、分解して調べてみることにしました。
赤:+5V
白:DATA-
緑:DATA+
裸線:GND兼シールド
となっています。
取りあえず、AタイプコネクタをBタイプにすれば
標準的なUSBケーブルなら出来そうです。
次回はTypeBコネクタを取り付けて動作確認してみます。
2023-08-30
Type-Bコネクタを取り付けてみました。
このケーブルで、安定した動作が確認出来たら、
次に信号ラインを弊社独自構造(USB7500と同一)で試作します。
2023-08-30
試作その2
1.音を劣化させるビニール被覆を取り去る。
2.信号ラインを単線逆回転二重螺旋式にする。
3.絶縁被覆の静電対策にコットンスリーブを被せる。
4.電源ラインをツイストに変更し信号ラインに巻き付ける。
5.振動対策にメッシュスリーブで二重か三重以上に締め上げる。
6.最後にUSB-Bコネクタを取り付ける。
先ず、信号ラインケーブルを製作する。
左右逆回転ツイストである点に注意
線径、ツイストピッチ、線間距離、組み合わせ方で
特性インピーダンスが決まります。
USB2.0の仕様では90Ω±10%にする必要があります。
この点で純銀単線を使うことは線径と絶縁被覆が選べず
失敗のリスクが高いため、
今回は、実績のある線径とポリエチレン被覆を選択しました。
用意した2種類のツイストペアをある回転方向とピッチで
慎重に組み合わせて行きます。
次に静電対策用のオーガニックコットンスリーブを被せていきます。
通常使用するコットンスリーブでなく、
空気層を多く含んだスピンドル織りの
スリーブを被せました。
2023-08-30
次は電源ラインの改善です。
今回は電源ラインの配線をそのまま流用して、
ツイストペアに改造しコットンスリーブの上から
信号線を包み込むように巻き上げます。
メッシュスリーブは三重に重ねて締め上げています。
信号ライン線を接続し、Type-Bコネクタを取り付けて完成です。
2023-08-31
USB7500/lightning1.0m試作品
2023-09-01
動作確認を依頼したユーザー様から認識せずの報告がありました!
認識しないのですから、音質評価以前の問題です。
棒ユーザー様で変換コネクターを介して音が出たが、
しばらくすると認識しなくなるというのがそもそも、奇跡だったようです。
その後調査して分かったことは。以下のとおりです。
①USB-DACで採用されているUSB-2.0の仕様は無償で公開されているが、
Apple社のLightningの規格は独自規格であり非公開である、先日入手したMFi認証ケーブルは充電用の互換性を保証したもので、データ転送は保証されておらず、
MFi認証を製品に表示するにもライセンス料が発生する。
2023年までの販売されているiPhoneやiPadでUSB2.0で動作する商品は存在していない。
・・・ということです。
詳細は、ケーブル物語:iPad用Lightning仕様について(仮題)に
まとめておきます。
iPhone15ではUSB-Cが実装され、9月から販売されるようですので、
そちらを使う方が安心です。
Yahoo Newsによれば
iPhone 15は、「Lightning」コネクターの代わりにUSB-Cポートを搭載するとうわさされており、それによって、より高速な充電が可能になる可能性がある。Appleは2022年、新規スマートフォンに対して2024年までに共通のUSB-Cケーブルに対応するよう義務付ける欧州連合(EU)の新規則に準拠すると表明した。
したがって、USB/Lightningケーブルの開発は中止します。
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