6 スピーカー・ケーブル端子 選択のポイント 端子を選ぶ際にYラグ端子とバナナ端子のどちらを選ぶべきか? それぞれの長所と短所から考えます。 ■端子形状 ・Yラグ端子:接触面積が広く強固な締め付けに耐えるので接触抵抗が安定する。 ・バナナ端子:取り付けは一般的には差し込むだけで利便性が高い。抜き差しを頻繁にしていると接触が甘くなる場合がある。(ロック機構付きのバナナ端子は別) ・ピン端子:ビンテージ・スピーカーの場合は、ピン端子しか選択できないものもある。接触面積は点接触に近い。(点接触ではあるが、バインディング・ポスト側のネジで締め付けるため導通には問題ない) 理屈では、Yラグが良さそうですが、市販のYラグ端子には良いものが少ないです。Yラグであっても材質や表面処理(磨きや下地処理方法、メッキ種類やメッキ厚)が適切でない場合が多く、優秀なケーブルになればなるほど、端子による音質の劣化が顕著になります。 ■端子の材質 ・導電性:純銀>純銅>ブロンズ(銅と錫の合金)>真鍮(銅と亜鉛の合金) 導電性だけを見れば純銀ですが、音色に銀のキャラクターが出てしまうことがあります。 ■表面処理方法(めっき) 金属は空気中に放置すると酸化により錆びてきます。そのため、導電性を維持しつつ金属表面を保護する目的でメッキ(鍍金)加工が施されます。オーディオ用の端子で使われるメッキは、以下のとおりです。 ①銀めっき:銀は、酸化でなく硫化( 硫化とは硫黄成分に反応して銀が黒く変色することで、空気中の硫黄成分に反応したもの)により黒く変色しますが導通性には影響しないようです。 ②銅めっき:銅の金属に銅のメッキをする意味はあまり無いように思います。 銅は、空気中に放置すると酸化被膜(錆びの一種)が生じます。しかし、酸化被膜によりそれ以上酸化が進み錆びることを防ぎます。また酸化被膜は薄いのでホール効果により電流は流れてくれます。オーディオ的には、この酸化被膜も無いのが望ましいです。銅表面を磨いて導線を圧着したあと充填剤と熱収縮チューブで空気を遮断することで酸化被膜を防止できます。 以下は余談です。 中国製の銅端子を輸入し圧着しようとしたところ、あまりにも硬くて、これは鉄の上に銅メッキしたものであると疑いエナメル剥離用の溶剤に1時間ほど浸けておいたところ白
11月2日に発注していたXLRケーブルが届きました。
返信削除以前、借りたデモ機を、大幅にグレードアップしてもらったものです。
「艶と色気」を目標に制作してもらったのですが、デモ機ではあまり表現ができませんでした。
今回のケーブルはどうかなと思いつつ繋いで聴いてみると、当初はデモ機と同傾向でした。
それでも、SNの高さ、分解能、定位感はエージング0の時点でも、デモ機を軽く凌駕していています。
その後、エージングに入ったわけですが、一つの目安であった、通電100時間が経過し150時間になろうとしており、当初より大きな変化をしています。(考えてみると、この三週間ほどエージングに徹していて、まともに音楽を聴いていませんでした。)
大きな変化と思われるのは音全体が、分厚くなった事。
この変化は、デモ機では感じられなかったもので、音声帯域の重心が下がって鼻の奥に声が引っ掛かるような、甘ったるい「色気」のような音の出方も感じられるようになってきました。
また中高域に若干感じていた「暴れ」も抑えられつつあり、ピークを感じる事なく聴きやすくなっています。
更に気がついたのは、低域の立ち上がりが強く柔らかくなっていて、モニター調の従来機及びデモ機との差を感じます。
ただ、デモ機をショップのシステムにも接続して聴かせてもらったのですが、「あれ?」と思うような「色気」も乗り、かなり良かったです。
使用機器はスピーカー以外、ショップと自宅はほぼ同じなので、どこが違うのか比較してみると、スピーカーケーブルが、自宅が純銀、ショップが無酸素銅(今回のXLRケーブルと同一メーカー)でした。
純銀製SPケーブルの他に、我が家でもショップと同じ銅製のスピーカーケーブルを使っているので、狭い背面に手を突っ込んで2時間かかって繋ぎかえて音を出したところ、ショップで感じた差を感じました。
このことからも改めてケーブルのコーディネートは大切だと痛感します。
それでも、SPケーブルを純銀線に変更した時の静かな中に鮮烈な張り出しのある音の虜にもなっていますので、純銀線と心中したいです。
今週末には、エージングの次の目標である200時間に到達しますので、その時点でもまた感想があげられたらと思っています。
いつも、貴重なコメントをありがとうございます。当初の開発目標である、ヴォーカル領域の微妙な再現性が改善されたようで良かったです。オーディオケーブルは、線径と芯数の選択が最も重要で、そのうえで構造と材質や静電対策が効いてきます。更に、バーンイン(エージング)という一般的にはオカルトと思わて理解されない作業が必須です。このエージングは経験上150時間が目安ですが、これは線径や導体の材質、芯数、絶縁被覆や構造により、エージング時間にも差があります。銀線や静電対策でコットンスリーブを使った場合、通常のケーブルよりもエージングに時間を要します。およそ、150~250時間かかる場合もあります。250時間以上は変化が殆ど分からなくなり安定しますが、それでも6ヶ月以上通電していなければ、元に戻る傾向もありますので、たまには通電しておく必要があります。これは、ケーブル構造や弊社の多重ツイスト構造の場合は静電容量の関係で、電荷とスピンによる影響でケーブルの物性が変化する為です。(スピントロニクスという新たな研究分野で、これから解明されていくことと思います)引き続き宜しくお願いします。
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