【開発経緯】
■ノードストのスペルバインダー
弊社は、海外製のハイエンドケーブル(ヨルマデザインやノードスト)に比肩できるケーブルを半額以下で市場に提供できないかと考えて、2012年当時、存在していたノードストのスペルバインダーという7n銅の単線ツイストケーブルを分解し10芯のマルチツイストリッツ構造に作り変えることでスピーカーケーブルを商品化したところから起業しました。その初代ケーブルは、2.5mペアで280,000円という高額にも関わらず、圧倒的なパフォーマンスで、20代?のサラリーマンの方から、「お金貯めて買います」!と言っていただき、本当に購入されました。
■ミュンヘン・ハイエンドショーに試作品を持ち込む
そのケーブルは、2015年の ミュンヘン・ハイエンドショー(オーディオフィジックブースでスピーカーケーブル試作品を持ち込み会期中デモ)、オーディオアクセサリー誌の10万円以上のスピーカーケーブル部門で銘機賞受賞と好調なスタートを切りました。
■米国ノードストのスペルバインダーが突如廃番に!
米国ノードストが7n単線のスペルバインダーの生産を突如廃番としたため、ケーブルの製作が出来なくなり、後継機種を開発するのに3年の年月を要しました。
■高コストなハンドクラフトケーブルと電設資材
しかし、一般には市販されていない電設資材を世界中から探し出し、小ロットで仕入れて解体し弊社の考えている仕様にケーブルから作り変える作業はとても手間の掛かるもので、ケーブルを分解して出るゴミの量も尋常ではありません。そのため、コストが下がらず、頑張っても他社製品比で3割から5割増しの価格で販売してきました。実際には、600万円を売り上げても営業利益は年間で20万円にしかなりません。それが、ここ2,3年で需要が更に激減し、対前年比の5割減、7割減を更新中です。部品仕入れや輸送コストも異常な高値で推移しています。
日本経済はどうなるでしょうか?
■オーディオ業界と市場の需要
もともと、オーディオ業界は市場が30年ほど前からシュリンクしており廃業や倒産が続いています、弊社も頑張ってきましたが、もう少し価格を下げてケーブルの重要性を知っていただきたいと考え、12年間で蓄積してきたノウハウを実装したケーブルを提供することにしました。
■エントリー商品の開発
事の発端は、弊社のケーブルをご愛顧いただいているユーザー様からの提案でした。
依頼者からは、くれぐれもコストと音質のバランスをとって、多くの人が納得できるようなケーブルができないか?というリクエストを受けました。
さて、ハンドクラフトでコストを下げるのは困難です。
①先ず大量生産が出来ません。一本一本の手作り品であること。
②他社製品のように、完成ケーブルをリール単位で購入しプラグや端子を取り付けるという構造でなく、ケーブル単体からあらゆる音質の劣化要因を排除するため、部品調達段階から吟味しなければなりません。
■あらゆる音質の劣化要因を排除する
・シールドは、音の解放感を阻害する。
・裸の撚り線は、斥力や迷走電流の影響で音が濁りやすい。
・PVC(塩ビの絶縁被覆)は、周波数依存性を持ち信号周波数が変動すると静電容量が変化するため大切な信号が変調されてしまう。
…そこで、対策は以下の通りとしました。
・線径の細い単線を絶縁被覆で独立させて複数本をまとめカッド(クワッド)接続することで、ノイズをキャンセルする。また、同時にツイストペアにすることでコモンモードノイズを低減し、シールドをせずとも実用上十分なノイズキャンセル効果を持たせツイストにより、斥力の低減や振動対策も同時に行います。
・弊社の電源ケーブルで採用した左右逆回転の二重螺旋ツイストクワッド化によりコモンモードノイズを徹底的にキャンセルする。
■具体的な実装方法
・先ず、左回転のツイストワイヤーと右回転のツイストワイヤーを準備する。
・準備した逆回転2種類のツイストペアを、一定間隔で螺旋状に組み合わせていく。
・斥力による振動を抑え込むために、4重から5重のメッシュスリーブを被せていく。
・アンプ側とスピーカー側それぞれ露出したワイヤー部分は振動を抑えこむために熱収縮チューブで被せる。
・最後にケーブルの方向性を明示するため、FidelityGateロゴマークとバナナプラグを取り付けて完成する。
■品番:LSC1209-1.5m
■JANコード:4580525451670
■標準販売価格(税込):39,600円
(2024年12月の受注分に限り発売記念特別キャンペーン価格の19,740円で販売します)
是非、お問い合わせください。
試作品と製品版のスピーカーケーブルが納品されて三週間以上経過しました。
返信削除いずれも良い感じで、8cmフルレンジスピーカーを鳴らしてくれます。
広帯域のスピーカーでは無いのですが、貴社の3年ほど前の主要SPケーブルで長いこと使ってきました。
それを、8cmフルレンジであることを理由に、1.5m2,000円のケーブルでも大差ないのではないかと交換。
すると想像していた以上に、それまでの音がケーブルに依存していたことを実感することに。
そのため、社長さんにできるだけ安価に、貴社の特徴を持ったSPケーブルが作れないか相談しました。
特徴と言っても抽象的ですが「音の躍動感」と「音の広がり」がとても心地良いです。
かなり無謀なリクエストでしたが、完成してきたケーブルは試作品の段階から納得できるものでした。
三週間の慣らし期間を経て、若干感じていた硬さもほぼクリアできたように感じています。
8cmフルレンジに立体的な空間表現が加わり、ナローレンジながら面白い音になっています。
試聴コメントありがとうございます。
削除試作品、製品版共にエージングが完了したようですね。
結果は、予想通りで、コストは掛かっても、製品版のようにメッシュスリーブは重ねて制振する必要があることが証明されました。この上を目指すとすれば、多芯多重化と線径の細径化、木綿スリーブによる静電対策で最終的には純銀線になります。
ケーブル構造は変える必要はなく、改善するとすれば、多芯多重化する際の線材間の距離の微調整ぐらいです。
線間の距離はワイヤーの近接効果による表皮効果の影響を最小化するためです。これにより低音域から超高音域までフラットで高音質なケーブルの製作が可能になります。ケーブルのクラス別価格帯に応じた商品開発のレシピが見えてきました。