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11月, 2019の投稿を表示しています

ケーブル物語10

■ケーブルの方向性について ・スピーカーケーブルの場合 FidelityGateと印刷されたロゴマークのチューブを巻 いてある方を、スピーカー側の端子に接続してください。 ・RCAケーブルやデジタルケーブル、アースケーブルなどの 場合 ロゴマークの付いている側というよりも、 文字がFidelityGateと読める方向に信号が流れると考 えて左右チャンネルの向きを揃えてください。 ※ケーブルのバーンイン(エージング)は、 その接続方向で実施しています。 (補足説明) ケーブルの方向性には賛否両論がありますが、 比較試聴した体験から言って、あると感じます。 ケーブルには音の良い接続方向があると言い出したのは、 オーディオ評論家の故 江川三郎氏ですが、ケーブルの方向性が出るのは、 ケーブルにシールドの編組があり、 両端で接地せず片側のみ接地( ケーブル内部はホットとコールドの2芯)の場合です。これは、 構造的に言って方向性が生じます。RCA右チャンネルと左チャンネルを逆向きで接続した場合など、接地ポイントが左右チャンネルで異なることになります。このようなケーブルの編組シールドはコールド側の一方と接続されていて、もう一方の末端は接続されずにオープンの状態です。何故、このように接続するかというと、信号線はホットとコールドが必要なのに対しシールドは信号線を覆い、その末端を接地することでノイズを接地に逃がすのが目的です。もし、シールドの両端を接地してしまうとRCAのコールド側と同じになりシールド外皮にも信号を流すことになるため編組シールドで拾ったノイズがコールド側に流れるためです。 これ以外にもワイヤーの製造段階の線引き工程で方向性が生じると 言われてきましたが、三菱電線工業の話によれば導体の 結晶格子配 列により電線の方向性が決まるようです。 導体の方向性は、 結晶格子の配列により決まることは分かりましたが、では、 その方向性が素線段階でしっかり管理されているかは、 製造メーカー次第なので一般的なユーザーが目視で確認することはできま せん。また、 ケーブルの方向性は導体の方向性だけで決まるものではなく、 絶縁材料やツイストの回転方向、組み合わせ、 先に書いた編組の接地方向など様々な要因の積分値となるようです 。したがって、長時間かけて...

ケーブル物語

9 アナログ再生を考えたピュアオーディオケーブルの選び方 オーディオケーブルの材質やメッキ処理、絶縁被覆への拘りから、様々なメリットを 各社が喧伝していますが、これらの情報だけを鵜呑みにしていると、 決して正しい音楽再生はできません。 中には、間違いや嘘も含まれるため真偽を見極めることが重要です。 ■オーディオ・ケーブルの目的 録音された正しい電気信号をロスなく精確に伝送することにあります。 ■正しい信号の伝送とは ノイズを拾わないこと、 位相特性が素直であること、転じて、 ケーブル固有の音色を持たないことです。 それには、 再生する音楽の録音された年代や当時使われていた機材を知る必要 があります。 ■1960年前後のブルーノートジャズはAltecの604Eでモニターされていました。 具体的に言えば、 1960年前後のブルーノートジャズはAltecの604Eとい う銀箱に入った2ウェイのスピーカーが使われていました。 この604Eと真空管のアンプによって録音技師や演奏者が最終的 な音の確認を行いレコードが制作されました。 ■録音当時には銀線や鉛フリーの銀入りハンダなど使用していません。 当時の真空管アンプとアルテックのスピーカーを繋いでいたケーブ ルには、 銀線や鉛フリーの銀入りハンダなど使用していなかったことを確認 しておく必要があります。 録音当時は、 銅鉱石から直接造つくられた銅の単線に絶縁被覆は、ブラックエナメ ル単線と木綿に蝋を浸み込ませたワックスコードにより電気的な絶縁を確保していました。蝋も木綿も、誘電率が低く、一般に使われている高分子系の絶縁材料よりも音質的に優れています。 当時は、 これらの組み合わせで録音された音楽を Altecの604Eスタジオモニターで音質の 確認が行われました。 録音されたとおりに再生するということは、 必ずしも同じ機材を使うことを意味しませんが、 電気的な特性は近似していなければ、録音技師の意図したとおりの再生は出来ない可能性があります。 ※録音当時は銀線や絶縁材としてのポリエチレン(1976年以降実用化)、 テフロン(1946年実用化)なども1960年当時ケーブル素材としては未だ実用化されていません。 録音当時に存在しなかった、 銀線ケーブルやPC...

装置のデマネタイジング(消磁)

残留磁気が多くなると再生システムの音質が悪くなってきます。 具体的には、音が歪っぽくなり喧しくなります。 小音量でも、うるさいと感じます。 音の抜けが悪く、付帯音がまとわりついて鬱陶しくなります。 お酒で言えば、安物の醸造酒で雑味のある感じです。 珈琲の雑味の様にも感じるかもしれません。 早い話が、スッキリしない音です。 それで、帯磁した残留磁気を消磁する必要があります。 これは、磁気録音の開始されたアナログ録音の初期から磁気テープの走る磁気ヘッドの消磁は録音する前に日常的に行われていたようです。 ■帯磁によりシステム全体の音質が劣化する。 近年では、フォノカートリッジやその内部の銅線材、プリント基板の信号回路部品を実装するためのリード線、クロスオーバーネットワークのインダクター、コネクター、ケーブル、スピーカーのボイスコイルに至るまで、非磁性部品を含む再生システムの諸構成要素までもが帯磁して、システム全体の音質を劣化させていることが分かっています。 ■電磁界によって導体に残留磁気が着磁される。 電流のあるところ、必ず帯磁があり、導体の周りには、電磁界が形成され、導体が「鉄の三元素」の、鉄、ニッケル、コバルトなどの帯磁されやすい素材であれば、電磁界によって導体に残留磁気が着磁されます。キャパシターや抵抗器のリード線は、多くの場合、銅メッキ・スチールでできており、多くのコネクターも「金メッキ」であったとしても、その素材はきわめて帯磁性の高いニッケル製が多くみられます。これらのことから明らかに磁気の残留する可能性があります。 ■非磁性帯の金属でも安心できない。 フォノカートリッジのコイルが非磁性体の銅であっても帯磁するのは、100%純粋な銅はあり得ない為です。銅は常に不純物を含んでおりその不純物の多くは「鉄の三元素」のいずれかです。こうした鉄を含む金属は、銅の基質と合金を創ることは無く、むしろ銅の結晶の境界にそのままの純度で残留するため、ここに電流が通るとすぐに帯磁して再生システムの音質を劣化させます。 余談ですが、このことから部品の選択が重要でCR素子のリード線も鉄に銅メッキは避けて純銅のリード線を使ったオーディオ専用部品が望ましい訳です。ケーブル類のプラグやコネクターも純銅の無メッキが良い訳です。これは電気を使った再生システムの宿命で...

ケーブル物語

8 バーンイン(エージング)その2 バーンインは、システムのあらゆる機器に必要なものですが、ここでは、主としてケーブルについて記述します。 トーンアームのシェルリードや内部配線、フォノケーブル、イコライザー前後に配置されたライントランス、インターコネクトRCAケーブル、アンプの内部配線、スピーカーケーブル、スピーカー内部配線やパッシブネットワークの配線やCR部品など全てに必要です。電源ケーブルにもバーンインが必要です。 とくに機器間接続ケーブルやスピーカーケーブルなど信号ラインを司るケーブルにはバーンインは必須と言えます。バーンインすることでケーブルの絶縁体の状態を整えることが出来ます。 プリアンプのバーンインは、各入力において行うことで最大の効果が得られるためライン入力は、それぞれ別個にバーンインする必要があります。

ケーブル物語

7   ケーブルのバーンイン(エージング)は、なぜ必要か? バーンイン(エージング)によるケーブルの変化は、 端子部と導体ワイヤーおよび絶縁被覆(誘電体) の三つに影響が出ます。 端子部は、ハンドプレスによる圧着 段階で曲げなどの外部応力が加 わることを避けることはできません。 この際、 歪み欠陥と呼ばれる乱れが金属組織に生じる場合があります。 また、ワイヤー自身もツイスト加工する段階で、 物理的な応力を受けます。 各製造工程で受ける応力による歪みのほか流通過程や配線時にも同 様に外部応力が加わり歪みが発生します。 これらの応力による歪は、時間経過と共ともに、自己回復するのですが、それには長期間(一説によれば約30年)を要します。Linnの初期モデルのLP12ターンテーブルの場合、金属の切削加工では、1工程進めるごとに、数か月放置して応力歪が開放されてから次の金属加工に進めていたそうです。これなども、金属の加工によって受けた応力歪を取る手段の一つです。電線の場合は、その歪を積極的に取り除き金属の組成(結晶粒) を整え安定させるのがバーンインです。それには、 ある程度の時間を掛けて多くの周波数領域で通電してやる必要があ ります。 特に弊社の様なツイストケーブルには、 バーンインに時間が必要です。   また絶縁被覆はコンデンサーの誘電体でもあるため、 ケーブル製作するうえで、誘電率の低いものを選択していますが、 どうしても誘電体によるコンデンサーの影響をゼロにはできません。 この絶縁被覆の影響を極力回避するために、 ホットとコールドを分離させ、一定以上の距離を取って螺旋構造で多 重化していますが、ホットとコールドの間に絶縁被覆(誘電体) が入るため、電荷が溜まり飽和するまで安定しません。 この絶縁被覆の電荷を安定させるためにもバーンイン( エージング)が必要になります。 特に多重化傾向の高い弊社のケーブルやキンバーケーブルなども同 様にバーンインに時間が掛かります。 また数週間から1か月以上通電せずに放置していると、 電荷が抜けていくため、音出し直後は、安定した音になりません。 経験的には最低30分、できれば2時間後辺りから、 本領を発揮します。 アンプも半導体アンプの場合同様な傾向にあります。 電流が流れる ...

HS-LINK Ver.2対応LANケーブル(試作品)

Accuphase「DP-950/DC-950」間の接続に使われるデジタル・ オーディオ・インターフェース“HS-LINK”Ver.2対応のLANケーブルを試作中です。 従来はケーブル内の8本の芯線の内2本(±1組) で全情報を伝送していたのが、Ver.2では6本(± 3組で音声データ1組とクロック2組)を使用しています。LANケーブルは8芯なので2本は遊んでいます。弊社のお客様から付属品のケーブルはイマイチなのでよいケーブルが出来ないか?ということで試作してみました。遊んでいる2本の使い道がポイントです。 現在、圧着ツールを手配中でツールの到着待ちです。       写真が“HS-LINK”Ver.2対応のLANケーブルです。

サウンドライフハーモニー(2019-11-10)15:00-18:00

甲府市のユーザー様宅訪問の後、笛吹市にあるサウンドライフハーモニーさんに1年ぶりに伺いました。甲府市のお客様とも、このお店で知り合いになりました。土日祝日には、マニアが集まり自然とオーディオ談義に花が咲きます。普段は職場や家庭で疎外感を味わっているマニアが、この時ばかりは本来の姿に立ち返り羽を伸ばせる居心地の良い空間です。DAIATONE P610のフルレンジ1っ発でこれほど自然に鳴るものか?と驚かれることと思います。訪れるたびに、新しい発見があります。 機材の詳細は、下記のリンクを参照してください。 http://www.dourakuhouse.com/

山梨県甲府市のユーザー様訪問(2019-11-10)13:00-14:30

弊社のユーザー様は私が変わっているせいか? やはり変わっている方が多いです。 その探求心は尋常でなく、雑然とした空間には、よく観るとものすごいヴィンテージ品が足の踏み場も無いほど所狭しと転がっています。 当日は、突然思い立ち、これから伺いたいがと連絡したところ、快諾いただきましたので訪問が実現しました。ありがとうございます。 サンオーディオのアンプを改造されたという2A3シングルアンプは、シャシーとタムラのトランスを残し、配線材料やCRの部品までWestern Electricや   KLANGFILM から取り外したものが再利用され、ハンダやヒューズも当時のものが使用されています。音を聴きながらチューニングしていったら結果的にそうなったようです。 2A3はRCAのシングルプレート、整流管は真空管ソケットに挿入できるように作られたシリコンダイオード整流器を使っていました。 スピーカーは、 PHILIPSのアルニコ磁石の30センチダブルコーンフルレンジ(型番不明)にドイツ製の5000㎐~25000㎐まで再生可能なヘンテコな高音ユニットが載っています。この高音ユニットは、ハイパスフィルター用のコンデンサーも使用せずに30センチフルレンジスピーカー(後面開放箱)と並列に接続されています。本当か?(私はユニットの中にローカット用のコンデンサーぐらいは入っていると思っています) パワーアンプとCDプレーヤーの間にプリアンプは存在せずWesternElectricのWE154Cというすでに入手困難になっているライントランスとWesternElectricのセレクターとアッテネーターを介在し PHILIPSのCD100プレーヤーを KLANGFILMの機材から取り外した同軸ケーブルに錫メッキ?で仕上げられたRCAプラグで繋いでいました。 現在、この環境で、フィデリティゲートのRCAケーブルをテストしていただいています。 ダイアナ・クラールのライブインパリが聴いたことの無い自然な臨場感で鳴っていました。

アースケーブル(ブラックエナメル・リッツ線56芯)EA2000R

アースケーブル(ブラックエナメル・リッツ線56芯)EA2000R 本日、Amazon向けの追加注文分を出荷します。税別30,000円のアースケーブルの追加注文で、ありがたいことですが、消費税増税で部品仕入れ価格が高騰したため、今回の出荷分を最後に廃番品種とすることにしました。ブラックエナメルのリッツ線が本製品を制作するのに13m使用するため素線だけでも希望販売価格の4割を占めます。現在、ブラックエナメルリッツ線を使わずに同等の性能が出る高性能なアースケーブルを開発中です。 このアースケーブルの特長は、リッツ線構造による56芯で、高周波領域に対しても十分な実効断面積を確保できるため、通常のアースケーブルでは実現できない高周波ノイズに対しても有効です。

SONY MDR-Z1R用リケーブル(4.4mm純銅 JEIDA5極バランス端子付き)

SONY MDR-Z1R用リケーブル(4.4mm純銅 JEIDA5極バランス端子付き)を制作しました。 お客様の依頼を受けて制作した特注品でカタログ・モデルではありません。 4.4mm純銅 JEIDA5極バランス端子付きのハイエンドモデルです。 弊社のスピーカーケーブルを使われている、お客様が同様な構造でヘッドフォンケーブルを制作してほしいということで、ご注文いただいたヘッドフォン用ケーブルです。 特長は、アレイモデルではありませんが、ツイスト・クワッドをキャンセル巻きで制作しています。

ケーブル物語

6 スピーカー・ケーブル端子 選択のポイント 端子を選ぶ際にYラグ端子とバナナ端子のどちらを選ぶべきか? それぞれの長所と短所から考えます。 ■端子形状 ・Yラグ端子:接触面積が広く強固な締め付けに耐えるので接触抵抗が安定する。 ・バナナ端子:取り付けは一般的には差し込むだけで利便性が高い。抜き差しを頻繁にしていると接触が甘くなる場合がある。(ロック機構付きのバナナ端子は別) ・ピン端子:ビンテージ・スピーカーの場合は、ピン端子しか選択できないものもある。接触面積は点接触に近い。(点接触ではあるが、バインディング・ポスト側のネジで締め付けるため導通には問題ない) 理屈では、Yラグが良さそうですが、市販のYラグ端子には良いものが少ないです。Yラグであっても材質や表面処理(磨きや下地処理方法、メッキ種類やメッキ厚)が適切でない場合が多く、優秀なケーブルになればなるほど、端子による音質の劣化が顕著になります。 ■端子の材質 ・導電性:純銀>純銅>ブロンズ(銅と錫の合金)>真鍮(銅と亜鉛の合金) 導電性だけを見れば純銀ですが、音色に銀のキャラクターが出てしまうことがあります。 ■表面処理方法(めっき) 金属は空気中に放置すると酸化により錆びてきます。そのため、導電性を維持しつつ金属表面を保護する目的でメッキ(鍍金)加工が施されます。オーディオ用の端子で使われるメッキは、以下のとおりです。 ①銀めっき:銀は、酸化でなく硫化( 硫化とは硫黄成分に反応して銀が黒く変色することで、空気中の硫黄成分に反応したもの)により黒く変色しますが導通性には影響しないようです。 ②銅めっき:銅の金属に銅のメッキをする意味はあまり無いように思います。 銅は、空気中に放置すると酸化被膜(錆びの一種)が生じます。しかし、酸化被膜によりそれ以上酸化が進み錆びることを防ぎます。また酸化被膜は薄いのでホール効果により電流は流れてくれます。オーディオ的には、この酸化被膜も無いのが望ましいです。銅表面を磨いて導線を圧着したあと充填剤と熱収縮チューブで空気を遮断することで酸化被膜を防止できます。 以下は余談です。 中国製の銅端子を輸入し圧着しようとしたところ、あまりにも硬くて、これは鉄の上に銅メッキしたものであると疑いエナメル剥離用の溶剤に1時間ほど浸けておいたところ白...